一般建設業許可と特定建設業許可の違いとは?──条件・要件・選び方をわかりやすく解説

一般建設業許可と特定建設業許可の違いとは?──条件・要件・選び方をわかりやすく解説

建設業許可には「一般建設業許可」と「特定建設業許可」の2種類があります。このカテゴリでは、両者の違い、取得条件、どちらを選べばよいかなどを体系的に解説しています。元請として大規模工事を行う場合や、複数の下請に発注する場合は特に重要なテーマです。

一般と特定は単なる名称の違いではなく、「下請に出せる金額」「求められる財務基準」「人材要件」などに大きな差があります。事業の規模・今後の方針に合わせて適切な許可を選ぶことが重要です。

一般建設業許可と特定建設業許可の基本的な違い

一般許可と特定許可は、主に下請に支払う金額によって区分が分かれています。

一般建設業許可

比較的小規模の工事を行う建設業者向けの許可で、以下の特徴があります。

  • 4,000万円以上の下請契約を行わない
  • 中小企業の多くが取得している
  • 財務基準は特定よりも緩やか

特定建設業許可

4,000万円以上(建築一式は6,000万円以上)の下請契約を行う場合に必要となる許可です。

  • 大規模工事を行う元請企業向け
  • 厳しい財務基準が求められる
  • 管理能力の高い技術者が必要

▶ 詳しくはこちら:一般・特定の違いを徹底比較

一般建設業許可の取得条件

一般許可の要件は、5要件(経管・専技・500万円・誠実性・欠格要件)を満たせば原則取得可能です。

一般許可で求められる専任技術者の要件

  • 資格保持(施工管理技士・建築士など)
  • または10年以上の実務経験

財務基準

一般許可は「500万円の証明」で足りるため、比較的取得しやすい許可といえます。

▶ 詳しくはこちら:一般建設業許可の取得基準

特定建設業許可の取得条件

特定許可は一般許可よりも高度な管理能力と財務力が求められます。

特定の専任技術者(専技)要件

  • 1級施工管理技士の保持が基本
  • または特定工事の豊富な実務経験

特定許可の財務基準(一般より厳しい)

  • 欠損の状態にないこと
  • 流動比率75%以上が目安
  • 純資産がマイナスでないこと

特定許可は、企業が倒産リスクの中で大規模工事を安全に遂行できるかどうかをチェックする制度です。

▶ 詳しくはこちら:特定建設業許可の取得基準

どちらの許可を選ぶべきか?(選び方のポイント)

一般許可が向いている企業

  • 中小規模の工事を中心に行う
  • 下請に大きく発注する予定がない
  • 取得コストを抑えたい

特定許可が向いている企業

  • 大規模な元請工事を行う予定がある
  • 複数の下請に大口の発注を行う
  • 公共工事の入札参加を考えている

事業の方針が「元請強化」なら特定許可、「専門工事中心なら一般許可」が基本的な判断基準です。

一般許可と特定許可を同時に持つことは可能?

はい、可能です。同じ業種に対して一般と特定の両方を持つことはできませんが、業種が異なれば併用できます。

  • 建築一式工事:特定許可
  • 大工工事:一般許可

このように、事業内容に合わせて柔軟に構成することができます。

一般から特定へ「変更」することも可能

企業の成長に合わせて、一般許可から特定許可へ切り替えるケースもよくあります。

変更の際に必要なポイント

  • 専任技術者の資格(1級施工管理技士)
  • 財務状況の改善
  • 管理体制の整備

▶ 専門解説:一般許可から特定許可への変更手順

まとめ:事業規模・方針に応じて最適な許可を選ぶことが重要

一般建設業許可と特定建設業許可は、下請発注額や工事規模によって選ぶべき許可が変わります。このカテゴリでは「違い」「取得条件」「変更方法」などを詳しく説明し、事業者の判断をサポートします。

次のカテゴリもあわせて参考にしてください。

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