建設業許可を取得したあと、事業の拡大や新しい工事を受注するために「別の工種の許可を追加したい」というケースが増えています。このカテゴリでは、建設業許可の業種追加に関する要件・書類・手続きの流れを体系的に解説します。
業種追加は、新規申請ほどの負担はありませんが、専任技術者の資格・実務経験が重要なカギとなります。正しい手順を理解し、スムーズに追加許可を取得できるようポイントをまとめました。
建設業許可の業種追加とは?
業種追加とは、すでに建設業許可を持つ事業者が、新たに別の工事業種の許可を追加取得する手続きのことです。
例:追加が必要なケース
- 塗装工事業者が「防水工事」の許可を追加したい
- 大工工事業者が「内装仕上工事」を対応したい
- とび・土工工事の会社が「解体工事」も請けたい
事業の幅を広げるために、年々ニーズが増えている許可のひとつです。
業種追加の要件(新規と同じく「5要件」が必要)
業種追加でも、建設業許可の5要件(経管・専技・資金・誠実性・欠格要件)を満たしている必要があります。特に重要なのは専任技術者の資格または実務経験です。
専任技術者の要件が最重要ポイント
- 資格保有(施工管理技士など)
- または、10年以上の実務経験
- 常勤であること(社会保険等で証明)
専技が確保できない場合、業種追加はできないため、最初に確認しておくことが重要です。
業種追加で必要な書類一覧
業種追加では、新規申請ほど書類は多くありませんが、以下の書類が必須です。
主な書類
- 業種追加申請書
- 専任技術者の資格証明書または実務経験証明
- 常勤性の証明(社会保険加入証明など)
- 役員・個人の身分証明書(必要な場合)
- 直近の決算変更届(未提出の場合のみ)
財務書類(500万円証明)は通常不要ですが、追加業種の内容によっては求められることがあります。
業種追加の申請手続きの流れ
- 追加したい業種を明確にする
- 専任技術者の資格・実務経験を確認
- 必要書類を準備する
- 申請書を作成する
- 都道府県または国土交通大臣に提出
- 審査(約30〜45日)
- 追加許可の通知を受ける
業種追加の審査期間は新規とほぼ同じで、1ヶ月〜1.5ヶ月が一般的です。
業種追加の申請でよくある注意点
① 専任技術者の実務経験が証明できない
契約書や請求書が不足しているケースが多く、追加資料が求められることがあります。
② 常勤性の証明が不十分
社会保険未加入の場合、給与台帳など複数資料が必要になります。
③ 追加業種が「許可不要」と誤解しているケース
解体工事・電気工事などは許可が必須のため注意が必要です。
④ 前年度の決算変更届が未提出
業種追加前に決算変更届を提出していないと受理されません。
業種追加のメリット
- 受注できる工事の幅が広がる
- 元請からの評価が上がる
- 売上機会が増加する
- 事業の多角化につながる
業種追加は、事業成長に合わせて柔軟に取れる戦略的な許可です。
まとめ:業種追加は事業拡大に欠かせない許可
建設業許可の業種追加は、事業の幅を広げるための重要なステップです。専任技術者の確保が最も重要なポイントであり、事前準備が成功の鍵となります。このカテゴリでは、各業種ごとの追加条件やよくある失敗例なども詳しく解説しています。
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